SynBioポータル

合成生物学(Synthetic Biology)のポータルサイトです

新たな産業革命の中核となる「合成生物学」の最新情報、有用性、可能性、振興策、安全性について、社会との関係も含め議論していきます。

バックナンバー2023年12月

 
2023年の通常記事は今年最後ということで、2023年の合成生物学の概況を手軽に知ることができる最新の記事2つを紹介したいと思います。英文ですが、短い文章で、合成生物学の概況を知ることができます。 🔴大きな問題と小さな解決策: 合成生物学がより強い未来を築く方法 最初のForbesの記事は、IDTというDNA合成大手企業の社長であるDemaris Mills氏が書いている文章です。 🔴合成生物学: 自然のツール、再設計 こちらのTechnologynetworksの記事は、Kerry Taylor-Smith氏というサイエンスライターが書いている文章です。 この文章は、邦訳もされている「合成生物学」(ニュートン出版)の著者である Jamie A Davies氏へのインタビューが主なものになっています。植物の部分は、Alister Mccormick氏の話が掲載されています。
 
自然保護活動とゲノム編集(その2)モモイロハト
全体に公開・
 
ドードー (Raphus cucullatus、モーリシャスドードー、Dodo) は、モーリシャス島に生息していた絶滅した鳥です。 Colossal社によると、ドードーの全ゲノムは主任遺伝学者であるBeth Shapiroによって配列決定されています。さらにColossal社は、モーリシャスに近いロドリゲス島に生息するドードーの絶滅した近縁種であるロドリゲスドードー(Pezophaps solitaria、別名、ソリティア、Rodrigues solitaire)と、ドードーに最も近い現存する近縁種であるミノバト(Caloenas nicobarica、別名、ニコバルバト、Nicobar pigeon)のゲノム配列を解読したとしています。その詳細は公開されていないようですが、ゲノム配列の決定は日常的な方法になっています。 これまでの結果から、ドードーRaphus cucullatus、ロドリゲスドードーPezophaps solitaria、ミノバトCaloenas nicobaricaの3種の関係はハトの仲間のなかでこのように位置づけられるとのことです(真ん中の青いフォントの部分)。 ちなみに、伝書鳩など街で日常的に見かけるのは、カワラバト(Columba livia)です。モーリシャスでは、Columbaに近い体高約15インチの草食のモモイロハト(Nesoenas Mayeri)が、生息地の悪化、病気、近親交配により絶滅の危機に瀕しており、約500羽しか残っていないといいます。
 

by 山形方人(Masahito Yamagata)